耐震強度偽装問題
「耐震強度偽造」のニュースが出たのは11月17日。1ヶ月が経とうとしています。
国土交通省の記者発表や各種の報道機関等で内容は周知のことだと思いますが、一級建築士による構造計算書が偽造され構造強度が大きく下回り震度5弱の地震でも倒壊の恐れがあるとのこと。社会的な大問題に発展しています。
今回の事件に関して、建築を業務として携わっている者として、大変遺憾に思います。
<<建築基準法>>
第一条(目的)
この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。
完全に、目的が無視されていますね。国民の生命を守る事が第一のはずが、自身の金儲けの為に行った行為で何十人、何百人もの被害者が発生してしまいました。
現在、偽造に関わったとされる方達を含め参考人招致や証人喚問が行われ、強度偽装に関わる解明が少しづつ明らかにはなっていますが、分譲マンションを購入した方々やホテル経営者に対する国の支援対策が未だ不明瞭な気もします。
12月16日に国土交通省が発表したマンション購入者に対する対策では、家賃補助などの基本方針が出ましたが、この内容では将来計画が出来ないとも思います。今後マンション購入時のローンと移転先の賃貸料と2重出費が考えられ、生活する上で大変だと思います。
又、個人で経営するホテルのオーナー達には何の支援もないのが気がかりです。早く、国としての方針、支援策を国会議員の方々含め早急に対応して頂ければと思います。
又、今回の事件は稀なケースなのか、氷山の一角なのかは現段階では分かりませんが、私個人としては稀なケースで合ってほしい事を祈ります。今後、この様な事が起こらないように私も建築設計に向かって行きたいと思います。
最後になりますが、今回被害に遭われた方々は気を落とさず国や建設会社に対して補償を含め立ち向かって行ってほしいと思います。
<関連ニュース>
国土交通省は平成17年11月17日、千葉県の建築設計事務所が、建物の耐久性などを示す「構造計算書」を偽造してい
たと発表した。書類が偽造されていた疑いが強いのは東京、千葉、神奈川のマンションなど21棟。このうち少なくと
も二棟は、震度5強の揺れで倒壊の恐れがあるという。国土交通省は建築物所有者らへの連絡を始めるとともに、建
築基準法違反容疑で設計事務所を警視庁に刑事告発する方針を決めた。(18日付日経新聞引用)
<関連サイト>
「構造計算書偽装問題とその対応について」(国土交通省)
「構造計算書の偽造問題について」(イーホームズ)
「耐震データ偽造問題」(毎日新聞)
以上
2005.12.23
writing by dai−k