東京都心が暑い原因
東京都心の気温が日々上昇している。一昨日の2004年8月12日に真夏日連続日数、38日を更新してしまった。この記録は、1923年(大正12年)の観測以来第1位になることが解った。(記録は2004年8月14日まで更新。真夏日連続日数40日。過去最高記録)
なぜ、都心は暑いのか?在り来たりの言い方になってしまうが建築的観点から少し考えてみたくなった。
最近ニュースなどで、「ヒートアイランド現象(※1)」という言葉をよく耳にしませんか?このヒートアイランド現象が都心の暑さの要因の一つでもあります。このヒートアイランドですが、「郊外に比べて都心の気温が高くなる現象。」と、思ってください。なぜ、このような現象が起こる事になったかと言うと、都心にコンクリート建造物や、アスファルト道路の増加に加え緑地が減少したことなどが挙げられます。又、夏場に冷房の過大使用なども要因のひとつです。特に都心部では、建物が密集している為、冷房から排出される熱が一斉に外部へ放出される。郊外に比べ都心では、放出量が多い為、その影響で外気温が高くなる。(他の要因、自動車の廃熱などなど)
ヒートアイランド現象の対策では、建物の減少は望む事が厳しいため、既存建物の屋上や外壁に緑化をしたり、新築建物では、省エネルギー対策を施したり、建物計画における、「風の通り道」を設けることにより、冷房使用の軽減を図る方法などがあります。ひとつひとつ取り組むことにより、軽減できると思っています。
最後に、ヒートアイランド現象は、ある意味経済の発展と共に現代が作り出してしまった負の遺産である。数年前から各自治体は必死になり、この現代病の対策に躍起になっている。我々建築家が環境問題について深く関わっていかなくては、新たな環境問題も作りかねないと思う。最近では「東京ウォール現象(※2)」など新たな問題も出始めている。地球温暖化に加え、取り組む内容が沢山あるが身の回りの事から少しづつ対策を講じていけば、新たな環境問題も防げる可能性があると信じています。
(※1) 「ヒートアイランド現象」とは、都心と郊外の気温を測定し、それを等温線に描いた場合、地図上に描かれる等高線のように地図上に閉曲線が描かれる。その形が、海に浮かぶ島(アイランド)に似ている為、その名がつけられた。
(※2) 「東京ウォール現象」とは、沿岸沿いに建つ高層建築物(汐留、品川など)により、海から吹く風をさえぎってしまい都心に風が入ってこなくなる現象。その現象により、都心の気温が下がらなくっている。
以上
2004.08.18
writing by dai−k