建築基準法改正について

公布及び施行期日
   公布日:平成14年7月12日
   施行日:公布の日から起算して6ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日(平成15年1月1日に決定)

<概要>
1.用途地域における容積率等の選択肢の拡充
   容積率制限、建ぺい率制限、日影制限等の選択肢の拡充

2.容積率制限等を迅速に緩和する制度の導入
  (1)総合設計制度における審査基準を定型化し、許可を経ずに、建築確認の手続きで迅速に緩和できる制度を導入。
     @一定の住宅系建築物について、指定容積率の1.5倍以下で、容積率制限を緩和する。
     A斜線制限と同程度の採光等を確保する建築物について、斜線制限を適用しない。
  (2)複数棟からなる開発プロジェクトを円滑・迅速に実現するため、総合設計制度と一団地認定制度の手続きを一本化する。

3.地区計画制度の見直し
   現行の地区計画制度を整理・合理化し、1つの地区計画で、地区の特性に応じて用途制限、容積率制限等を緩和・強化できる制度。

4.シックハウス対策のための規制の導入
  (1)クロルピリホスを発散するおそれのある建築材料の使用を禁止する。
  (2)ホルムアルデヒドを発散するおそれのある建築材料の使用の制限を行うとともに、気密性の低い在来木造住宅を除き、換気扇の設置義務


1.用途地域における容積率等の選択肢の拡充

(1)容積率制限
@指定容積率制限の数値(都市計画で定める)

用途地域 現行 改正後
第一種・第二種低層住居専用地域 50、60、80、100、150、200% 50、60、80、100、150、200%
第一種・第二種中高層住居専用地域 100、150、200、300% 100、150、200、300、400500%
第一種・第二種・準住居地域、近隣商業地域
準工業地域
200、300、400% 100150、200、300、400、500%
工業・工業専用地域 200、300、400% 100150、200、300、400%
商業地域 200、300、400、500、600、700、
800、900、1000%
200、300、400、500、600、700、800、900、
1000、110012001300%

A前面道路幅員による低減係数(特定行政庁が指定する)  

用途地域 現行 改正後
住居系用途地域 0.4 0.4(0.6を選択可)
その他の用途地域 0.6(0.4を選択可) 0.6(0.4、0.8を選択可)

(2)建ぺい率制限
@指定建ぺい率の数値(都市計画で定める)

用途地域 現行 改正後
第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、
工業専用地域
30、40、50、60% 30、40、50、60%
第一種・第二種・準住居地域、準工業地域 60% 50、60、80%
近隣商業地域 80% 60、80%
商業地域 80% 80%
工業地域 60% 50、60%

A建ぺい率の適用除外

用途地域 現行 改正後
第一種・第二種・準住居地域、準工業地域 都市計画で定める建ぺい率80%、かつ、防火地域内の耐火建築物は建ぺい率不適用
近隣商業地域、商業地域 防火地域内の耐火建築物は建ぺい率不適用 防火地域内の耐火建築物は建ぺい率不適用

(3)敷地規模制限
敷地規模制限の適用の可否(都市計画で定める)

用途地域 現行 改正後
第一種・第二種低層専用住居地域 指定できる(200u以下) 指定できる(200u以下)※
その他の用途地域 指定できる(200u以下)※

200u超の制限は地区計画により適用可能

(4)斜線制限
@道路斜線制限の勾配(特定行政庁が指定する)

用途地域 現行 改正後
第一種・第二種低層住居専用地域 1.25 1.25
第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種・準住居地域 1.25 1.25(1.5を選択可※)
その他の用途地域 1.5 1.5

第一種・第二種中高層住居専用地域では指定容積率が400、500%の区域に限る

A隣地斜線制限の勾配、立ち上げ高さ等(特定行政庁が指定する)

用途地域 現行 改正後
第一種・第二種低層住居専用地域
第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種・準住居地域 1.25、20m 1.25、20m(2.5、31mを選択可※)
その他の用途地域 2.5、31m 2.5、31m(適用除外を選択可)

第一種・第二種中高層住居専用地域では指定容積率が400、500%の区域に限る

(5)日影制限
日影の測定面の高さ(条例で定める)

用途地域 現行 改正後
第一種・第二種低層住居専用地域 1,5m 1,5m
第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種・準住居地域、近隣商業地域、準工業地域 4m 4m、6,5m


(資料は、平成14年建築基準法、ハートビル法及び省エネルギー法等の改正についてのテキストより抜粋しています。)


改正について、大きく変わる条文のみ抜粋して記載しました。設計事務所及び施工業者の方々が参考にでもして頂けたら幸いです。
なお、ご質問などがありましたら、下記↓メールアドレスへ、お気軽に連絡を下さい。お答えできる範囲で返答します。
E-Mail:dai-k.net@nifty.com

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以上
2002.08.14
writing by dai−k

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