バリアフリーとは
最近では、「バリアフリー」ということを口にするのが当たり前の様に、それが一般的な考え方になってきている。そもそも、「バリアフリー」とは何をどうするのか、もう一度、自分の観点から考え直したくなった。高齢化社会という現実の中で、私達設計家に対し、ユーザーは何を求めているのだろうか。最近、そんなことを感じています。
バリアフリー[barrier-free]とは、障壁なし、障壁を取り除いた。不便さをなくした。などなど。単純に言うと、障害者や高齢者などの、使い勝手を考慮し、使い易く、もしくは、工夫をすることと認識している。
身の回りには、バリアフリー化した物は未だに少なく、これからの、住宅や公共施設を含め色々な分野で発展していくと思う。そこで、住宅建築の身近なものから上げてみたいと思います。
中でも、玄関の入り口や浴室など段差を無くすことが上げられると思う。特に玄関は、たたき部分に段差を作らない。これは、歳をとると足を上げるという動作がとても大変になります。中でも2cmを超える段差は車椅子を使用すると上がることが非常に困難になります。家を出ることに苦痛を感じることに繋がりかねます。浴室にしても以前では水処理の為に10cm程度を下げざるを得ませんでしたが、今では改良され入り口部分を平坦にすることが可能になっています。何が変わったかは、一昔前は、玄関にしてもある程度高さを取るということがステータスだった時代があり、当時では、高齢化社会と言う現状になることが不明確な時代で、そうした考え方が現在の状況を生む結果になった。過去を振り返ることをしても仕方がないので、現状の建物を、いかにしてバリアフリーに合わせるかと言うことである。全てが工夫次第で何でも出来ると言うことも解って頂きたいと思っています。単純にスロープや手すりといった物を設置することにより、高齢者の杖の使用を減らすことも可能になります。今からでも少しづつ、対策を考えていく必要があると思っています。
又、駅や公共施設など階段部分にエスカレーターの設置やエレベーターを設置している所を、最近数多く見かけるようになりました。私も、いくつかの計画、実施(神奈川県横浜市S駅)などに参画させて頂きました。駅などでは、視覚障害者に対するものと車椅子使用者に対する物との融合が難しく、中でも誘導ブロックは、メッリトとデメリットがあります。健常者、障害者、高齢者が使い易くするデザインということを、再度考えさせられました。
最後になりましたが、2015年には、4人に1人が65歳になるということが解っています。この様な時代が来ると言うことに対し、「バリアフリー」の果たす役割は非常に大きく、最低の必要不可欠条件になります。これからの利用者のニーズに、いかにして設計家として関わっていけばいいのかと、いつも考えさせられます。又、将来の自分自身における問題でもありますので、何が必要かと、これからもずっと考え、取り組んでいかなくては、と考えています。
以上
2002.03.15
writing by dai−k