心構え
実際に家を新築する時、どの位の期間(工程)、資金が掛かるのか建て主は疑問に思うだろう。建物の構造、規模によってそれらは異なってきます。
ここでは、一戸建て住宅における設計開始から竣工までの奇跡、資金計画を伝えたいと思っています。
まず始めに、設計を建築家に頼む時、どの位の時間と資金が掛かるか単純ではありますがまとめてみました。私ども建築家はユーザーに声を掛けて頂いた段階でまず、敷地に関する調査をします。調査が終わると第一回目の打ち合わせをさせて頂き、ユーザーの求める用途規模等を伺い、採算計画に対してもアドバイスをさせて頂きます。そこで時間を少し頂き基本計画を検討していきます。ここで基本計画に沿って何度も打ち合わせをさせて頂きます。長い時では、半年から一年も掛かる事がありますが、ユーザーの方も自分自身の住みかの為に協力をして頂きたいと思います。基本計画に合意して頂くと今度は、実施設計に掛かります。
大体、図面枚数にすると2階建て4LDK位の間取りでは、25〜30枚程度の図面を書きます。その中には色々と細かな図面もありますが、その都度解かりやすく説明もしていき、合意を得られた段階で確認申請と呼ばれる行政庁との協議に入ります。この協議に入る前に私どもは事前に協議はしています。確認申請には申請手数料が掛かります。規模によって変わりますが、この規模だと100u〜200uにあたり17000円が掛かります。約一ヶ月前後で申請が受理されます。そこで、今度は業者との最終の建設工事費を決定していきます。大変申しにくい事ですが、その建設費の中には私ども設計監理料は含まれていません。建設費の約10%と考えて頂ければ幸いです。ただ、交渉次第と考えて下さい。例えば、建設費をローコスト化に成功すればその分金額は下がります。3千万から2千万になれば3百万から2百万になります。実際そうなると私どもは動く量が同じでも金額が少なくなるのは厳しいのですがそれは、両者が互いに協力をし良い建物が出来れば、それでいいと思っているのでローコスト化は大賛成です。又、ハウスメーカーとの違いは設計監理料が建設費に入っているか、いないかだと思います。以前、競合でハウスメーカーが提示した設計料は何十万となるケースがありました。でも、私どもは設計活動、ローコスト化を計り受注する事ができました。その時はハウスメーカーより良い建物をの気持ちでより多く足を運び設計・監理をしたことを思い出します。ちょっと話が脱線しましたが続けて着工から竣工までの流れを書きます。
着工に入り、仮設工事では縄張りなど建物の輪郭が第一段階で解かってきます。そして、土工事では基礎工事に入り約3週間から一ヶ月で建物の足廻りができます。その間大工さん等はきざみとしょうし木材の加工等をします、そこで、いよいよ加工した木材を組み上げていく作業、約一週間で上棟になります。この時に建物の完全な輪郭が現れます。
第二段階といいますか実際の大きさが解かると思います。恐らく直感で少し建物が小さく感じる事があると思いますが少しづつ図面との大きさの比較を感じていきます。上棟が済むと屋根材が葺きあがり外壁、内壁と着々と進みます。その間、約5ヶ月ぐらいです。そして、今度は建物全体の大きさを感じていきます。第三段階。
そして今度は外構工事ではアプローチや庭や駐車場等が出来上がります。そこで出来上がると最終の行政庁の完了検査が入ります。ここでも申請手数料が発生します。約12000円位掛かると思います。申請が受理されるとここでやっと竣工、引渡しになります。
やっとユーザーの住みかになります。その間、着工から竣工、引渡しまで6ヶ月から10ヶ月をめどにして頂きたいと思う。
ユーザーは工事中、設計士や大工や業者等の他、近隣の住人の方々に対しても気を使う事が沢山あると思います。近隣の方々とは騒音、駐車等多大な迷惑を掛ける事があり、居住したのちにも影響を与える可能性もありますので、着工前、工事中、竣工時の挨拶はして置きお互い十分な気遣いを心掛けましょう。
最後に設計監理料やその他の負担に関する事
通常、設計監理料は10%前後と言われていますが、その内訳にはS造・RC造等といった場合は構造設計分、設備設計分があり2〜3%前後が設計料に入ります。設計のみで5%程度、監理にて5%の合計10%と思って下さい。
又、地鎮祭時、上棟時等にはお祝い金としょうし気持ち包む事があります。建設工事費の他にも多々出費があると言う事も心掛けしましょう。
簡単な説明だと思いますが、ユーザーの方々は時間的な物、出費等心構えをして取組んで頂きたいと思う。
注記:上記文の金額等に関しては2001年12月現在とする。
以上
2001.12.05
writing by dai−k