家づくり

  家を建てると言う事が、一生の中で何回あるのだろうか。一般的に考えると大方一度ではないだろうか。その中で、夢を膨らませて、こういう家を建てたいと思うのであろう。

ひと昔前では、家を建てると言う事は、ステータスでもあり夢であったと思う。最近では、経済の悪化と共に、その傾向が薄れ、家を建てると言う事を考える人は、非常に少なくなっている現状である。その様な現状の中で、家を建てる人は、希望と不安を感じ設計者や業者に発注をかける。それに対し、設計者や業者はどうできるか疑問は耐えない。言葉では、「いい家を設計します」「出来る限り安く見積りします」など、簡単に言葉はでるが実際、それでいいのか不安になる。家を建てる事は、一生に一度になる事が多いと思うのだが、そのチャンスに、失敗をさせてはいけないと思う。設計者も施工者も日々仕事と考え、今回のあそこの部位は失敗だったとか、まあまあの出来だったとか、たやすく言葉を発してはいけないと考えている。設計者や施工者は、その立場を理解しなくては、いけないと思っている。この様な現状を、もう一度理解し良く考えて仕事をしなくてはいけないと思っている。

エンドユーザーも考えてほしい事がある。よく設計者に「全てお任せします。」と言う言葉。言う前にもう一度考えて頂きたい。家という物は家族の象徴であり、家族の顔でもある。本当に、自身が考える家づくりに合致するスペース、空間が設計者に伝わっているか、という事を再度、自身に問い掛けて頂きたい。一生残るものだからです。

ユーザーは、建設中の時期に、設計者、施工者等に対し色々な事があると思います。必ず、決断を迫れることがあります。当然責任も発生します。家づくりは、そういった事の連続だと思って頂きたいと思います。苦労する事を恐れず、それに立ち向かってこそ、いい家づくりが出来ます。そして、その家に対し愛着が沸きます。

又、家づくりには建てるという事が前提となるが、竣工後の家づくりもある。家という物は人が住み、生活をしなくては意味がない、人が生活をしないと、家は寂れ、荒れていきます。家は生き物です。近場で誰も住んでいない住宅はありませんか。よく建売住宅で売れ残っている物を見かけると、駐車場や庭に雑草等が生い茂り、建物内部がカビだらけの住宅を見かけませんか。人が生活をしないと、いずれは住む事が出来なくなってしまいす。その様な事にならないようにしなくてはいけません。人が住み家に光と自然風を与えてくださる事で、家は生きます。そして、家具などを配置し自身で作りあげましょう。家づくりはとても楽しいものです。ユーザーの方々も工夫をして楽しんで設計者と共に家づくりをしましょう。


以上
2001.11.15
writing by dai−k

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